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* ヴォイニッチの科学書
番組アイコン 科学技術コミュニケーター中西貴之とアシスタントBJが最新の科学情報をインターネット放送局「くりらじ」からけっこうわかりやすくお届けするネットラジオ科学情報番組です。
オフィシャルサイトhttp://obio.c-studio.net/science/
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 中西 貴之、BJ

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ヴォイニッチの科学書
2007年
08月04日更新
Chapter-168
前半:ブレインバンク
 生前の意思に基づいて死後脳を収集・保存し医学の研究に役立てようとする施設をブレインバンクと呼び、民間の巨大病院や研究施設ではすでに脳標本の収集が始まっています。しかし、今のところ公的施設はなく、診断や研究利用に関する統一基準もないため、現在日本神経病理学会において死後脳の取り扱い基準と診断基準について論議がすすめられています。欧米においては1960年代から大学や公立病院にブレインバンクが設立され、アルツハイマー病などの患者の脳標本などが蓄積され、研究に活用されてきました。

後半:燃料電池電車クヤR291のテクノロジー
 燃料電池は水の電気分解の逆反応で電気を生み出します。燃料となる酸素と水素のうち、酸素は空気中の酸素を取り込んで使用しますが、水素は大気圧の300倍の高圧でボンベに封入して積載しています。
 鉄道総研で開発された燃料電池電車は形式クヤR291型で1両編成、18.75kWの燃料電池を8基搭載し、電圧は900V。燃料電池の総重量は1.65トン。1両編成の2軸ボギー車で片方の台車に出力95kWのモーター2台を搭載し、それぞれの車軸を駆動します。研究施設の中でしか走行実験は行われていませんが、燃料電池のみでの走行が可能です。
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MP3(1部/5.25MB)
2007年
07月28日更新
Chapter-167「レアメタル問題」
 レアメタルは日本語では希少金属と呼ばれるますが、産業上非常に有用性が高いものの大量に入手することが難しい金属のことで、入手が難しい理由としては埋蔵量が限られている、存在が地理的に偏っている、使用するに十分な純度で得ることが難しいなどが挙げられます。
 鉄などの大量に利用できる金属はベースメタルと呼びます。産業的に利用されるレアメタルの量はベースメタルの1/10〜1/1000とわずかですが、レアメタルは産出国が軒並み供給抑制政策をとっており、製造には必須でしかもほとんどのレアメタルは代替材料が見つかっていないため、近年世界的に需給が逼迫(ひっぱく)しています。
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MP3(1部/2.99MB)
2007年
07月21日更新
Chapter-166
粘菌問題

 単細胞生物の粘菌の細胞の中には細かく枝分かれした管状のネットワークが観察されます。この管の中を原形質つまり、タンパク質を含む細胞質が高速で大量に移動し、摂取した栄養分はこの管を通じて広大な細胞内に行き渡ります。この管は必要に応じて伸びる方向や太さを様々に変えることができます。管の形が変わるとゾルの流れる方向や量が変わりますのでそれが細胞の変形となって粘菌は移動します。この移動は目的を持っており、粘菌にとって不適切な環境から逃れたり、エサの多い環境を求めて移動したりします。脳も神経系も持たない単細胞生物がどのようにしてこのような情報処理を行っているのでしょうか。その答えは粘菌の迷路解きにあるようです。
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MP3(1部/3.11MB)
2007年
07月14日更新
Chapter-165 サイエンスニュースフラッシュ2007年6月号
前半:宇宙関連
後半:ロボット関連

・超高速インターネット衛星WINDS愛称募集キャンペーンのお知らせ Webから 応募の際のURLは URL:https://www.boshu-jaxa.jp/winds/
 応募の際には自由欄に「ヴォイニッチの科学書で聴いて応募した」とお書き添えください。
・冥王星よりも重い準惑星エリス
・天の川銀河をとりまく巨大な3つのリングが発見されました
・天文趣味に特化した堅牢ノート「Shield PRO FC-NOTE-a」(アストロモデル)
・産業技術総合研究所が人間型ロボット:HRP-3 Promet Mk-IIを開発
・小倉祇園太鼓にロボット出演 安川電機の産業用双腕ロボット
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MP3(1部/3.93MB)
2007年
07月07日更新
Chapter-164 2007年上半期の科学ニュース

地球温暖化の事実と危険が科学者によって明言される
 国連の「気候変動に関する政府間パネル」第4次評価報告書において、地球温暖化は人為的なものであることが確認され、二酸化炭素の急増による猛暑、干ばつ、海面上昇、生物多様性の破壊などが警告されました。

東洋初のロボット「學天則」復活計画
 大阪市が昭和3年に科学者西村真琴によって大阪で作られた東洋初のロボット「学天則」の復元に着手することを発表しました。その復元工程はロボット研究者を志す若者の教材として活用されます。

40年ぶりの大彗星、マックノート彗星
 2007年1月に軌道上の太陽の近くを通過したマックノート大彗星は白昼でも観測できる40年ぶりの大彗星で、太陽を除く全天で最も明るい天体となり、その明るさはハレー彗星のほぼ100倍でした。

ネズミに天然色を見せることに成功
 2色型色覚動物のマウスは、認識できる色の種類に制限がありますが、遺伝子操作で3色型色覚が与えられると、天然色を認識するための神経や脳の回路が自然に作成され天然色の視覚を獲得することが発見されました。

力学的力を加える新たな化学反応と保護基を用いない新たな化学反応の相次ぐ発見
 これまで知られていなかった2通りの化学反応が相次いで発見され、医薬品や生物由来の天然物の興行的生産などにおいて、環境負荷が少なく、製造コストの低い有用物質生産に応用できそうです。

道具を使って狩猟をするチンパンジーの発見
 木の枝を折り、とがった先端を樹木に開いた穴に差し込んで昆虫などを取り出そうとするチンパンジーが初めて発見されました。この行動は人間が道具を使うようになる進化の過程を研究する上で重要な発見です。

宇宙の暗黒物質の分布が見えた
 暗黒物質は宇宙空間に目に見える物質よりもはるかに多く存在し、その質量が銀河の形成などに強く影響を及ぼしていることが予想されていましたが、初めて暗黒物質の三次元宇宙地図を作成することに成功しました。

バクテリアのゲノムでのデータの記録再生に成功
 英数記号を符号化し、DNA配列に変換した上で微生物の遺伝子の中に組み込んだデータを記録・再生することに成功しました。細胞1個で1メガバイト程度のデータを数百年から数千年も保存できそうです。

独立行政法人理化学研究所が統合失調症、自閉症、変形性関節症に関連する遺伝子を相次いで発見
 いずれも複数の遺伝子が関与する複雑な疾患で、メカニズムは謎です。関連する遺伝子が発見されたことによって、メカニズムの解明や効果的な治療方法、個人の遺伝子型別に最適な診断・治療の提供が可能となります。

土星の衛星エンケラドスに生命存在か
 エンケラドスの内部に高温高圧の場所がある可能性が発表されました。地球においても同様の環境が生命の誕生に大きな役割を担っていたと考えられていますので、エンケラドスに生命が存在する可能性が高まりました。
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MP3(1部/4.42MB)
2007年
06月30日更新
Chapter-163 日本標準時
 日本標準時はNICT情報通信研究機構で作られ、テレビ、ラジオ、インターネット、電波時計などを使って私たちに通知されています。時刻は私たちの生活を規定するばかりでなく、周波数に関係し、計測機器や科学研究機器の動作の基準にもなりますので、あらゆる産業や、最先端科学の研究現場においても正確な時刻が供給されれることは非常に重要です。
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MP3(1部/3.71MB)
2007年
06月16日更新
Chapter-162
リンゴが褐色になる仕組み
 リンゴは縦割りにすると早く褐色になります。その理由は・・・
ホエールフォール・その後
 人工的に作ったホエールフォールでもオセデックスは見つかりました。
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MP3(1部/4.73MB)
2007年
06月09日更新
Chapter-161 サイエンスニュースフラッシュ 2007年5月
・味をデジタル化する「味覚センサ」の開発に成功
・写真を見て痛いと感じる
・宇宙と同じくらい古い星が天の川に
・太陽系外惑星の世界地図を作成
・まいど1号打ち上げ決定
・火星の穴ぼこ
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MP3(1部/6.12MB)
2007年
06月02日更新
Chapter-160
シリーズ人工衛星「日本の月探査機・セレーネ」
「セレーネ」の主な目的は、月の起源と進化の解明を目指した月全域の高精度な観測です。そのために元素分布、鉱物分布、地形・表層構造、重力場などの観測装置を搭載していますし、月周辺のプラズマ、電磁場、高エネルギー粒子などを計測する機能も備えています。さらに観測対象は月だけでなく地球や宇宙の観測を行う機器も搭載されています。たとえば、太陽の影響によって地球の北極と南極周辺で発生するオーロラの活動を、地球と月から同時に観測したり、ハイビジョンカメラで、青く美しい地球が月の地平線から現れる「地球の出」をきれいな映像で撮影することも予定されています。また、地球のようにテレビや携帯電話などの電磁波がないため、宇宙のさまざまな電磁波を理想的な条件で測定することができます。
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MP3(1部/2.87MB)
2007年
05月26日更新
Chapter-159 深海底熱水活動域微生物
 かつて、地球上の生物は人間が好むような温和な環境を好むものだと考えられていました。ところが1960年代になると、100度に迫る温泉の熱湯の中や、海岸に漂着した重油の中など人間から見ると非常に特殊で過酷な環境でしか生きることのできない微生物が次々に発見されました。これらを総称して極限環境微生物と呼びます。今回は300度にもなる熱湯の中や光も酸素もない地下深くに生息している不思議な微生物のお話です。
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MP3(1部/5.11MB)
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